笠木納まり編(雨漏りを呼ぶ納まり)
引き続き「納まり」に関しての箇所を見ていきたいと思います。
今回は「笠木納まり編」としてお伝えしていきます。
まず始めに、「笠木」(かさぎ)とは?からいきましょう。
笠木とは、簡単にご説明すると、手すりや、塀(ブロック)、腰壁などの一番上部にあり横たわっている部材を笠木と呼んでいます。
一般住宅の中の部材で言いますと、主にバルコニー(ベランダ)の手すり・陸屋根の立ち上がっている一番上の部分・階段の手すりやカウンターなどの上部や、が笠木と言われる所となります。
バルコニー(ベランダ)の手すり・陸屋根の立ち上がっている一番上の部分やその廻りも雨漏りの原因箇所としては非常に多く発生しています。
今回は、一番発生率が多いバルコニーの笠木部分についてお話していきます。
笠木部分は、パッと見ると単純な構造の様で、上に横たわっているだけに見えますが、雨漏りの所見として見ていった場合、雨が落ちる部分水平面として雨仕舞を考えていきます。つなわち、屋根と同じ考え方納まりが必要になります。
先般お伝えしました1次防水・2次防水処理の納まりの考え方で施工をしていかないと、意外にもすぐ雨漏りしてしまう可能性が高いと言えます。
簡単に笠木の内部がどうなっているかとお伝えしますと、最近の建物は外壁同様、通気層が設けられていて、空気の流れを計算して造られています。しかし、20年以上前の建物に多く見られます様に、本来屋根の役割と同じはずの笠木の天端部分に釘が打たれています。この行為は、何れ時間の経過に伴いその貫通部から間違いなく雨漏りが発生します。
しかも昔の建物は、バルコニーの立ち上がりの外壁内部の空気・湿気がまったく抜ける様に造られておりません。バルコニー床・外壁サネ目地から侵入した雨水が全て立上り外壁内部にたまってしまい内部が腐敗します。
まれに、以上のような原因でバルコニーが重みで傾いているお宅に遭遇します。その場合、殆ど、バルコニー廻り外壁のひび割れから茶色く変色した跡、雨シミ水が確認されます。腐食の末期現象です。
住宅の間取りで、バルコニーの下側に部屋がある場合は、普段からバルコニー廻りの1次防水面の確認してみてください。以上です。
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