ルーフィングとは?(ルーフィングの説明と種類の説明)

屋根材の下に敷く防水性のあるシートのことをルーフィングと言います。このルーフィングシートは屋根からの雨漏りを防ぐ為の重要な材料で、2次防水建材の一種であります。
一般的に、屋根からの雨漏りを止めるには、直接雨風が当たる屋根材を修理すれば安心と考えがちですが、屋根材の主な役割は、(瓦・コロニアル・ガルバリュウム金属屋根・アスファルトシングルetc)直接角度のある屋根に降り注いだ雨水を、軒先の低い位置にある樋まで滑らす目的と、風・紫外線を建物内部に伝わらない様にする事であり、屋根裏の内部に雨水が浸入するのを防いでいるのはルーフィング(防水シート)です。どうしても、隙間や重なりから屋根材の裏側に雨が浸入しています
この様に屋根における雨仕舞いの観点から、1次防水は屋根材・2次防水はルーフィングシートの二段構えで、防水機能は保たれていると考えて間違いないかと思います。それだけルーフィングは、防水機能から考えますと重要なので、地域の気象や屋根形状に合った適切な種類選びが重要です。

●下葺き材(ルーフィングシート)の呼び名
① アスファルトルーフィング
② 改質アスファルトルーフィング(ゴムアスルーフィング)
※ 一般的なルーフィングといわれるものは②のアスファルトルーフィングの事です。

●下葺き材(ルーフィングシート)の材質成分
①私たちが普段利用している、道路に敷くアスファルトと同じものを使っており、フェルト状の原紙にアスファルトをしみこませています。
②改質アスファルトルーフィングとはアスファルトの他に、合成ゴムや合成樹脂を混ぜたものを加えることで対流動性・耐摩耗性・耐剥離性・付着性などの性能を向上させたアスファルトシートです。
※最近では、遮熱性能を有したルーフィングシートも発売されています。

●下葺き材(ルーフィングシート)の価格
①アスファルトルーフィング
1本/約3,500円~5,5 00円 (21m×1m×0.6㎜~1㎜程度)約18㎡施工可能
②改質アスファルトルーフィング
1本/約4,800円~10,000円 (20m×1m×1㎜~1.3㎜程度)  約18㎡施工可能                               ※遮熱性のルーフィングシート(20m×1m×1㎜~程度)  約18㎡施工可能                                 1本/約12,000円前後

●下葺き材(ルーフィングシート)の耐久性
①アスファルトルーフィング10年目安
②改質アスファルトルーフィング20年目安

●下葺き材(ルーフィングシート)の施工方法
①一般的には、野地板の上にタッカーと言うホッチキスを少し太く大きくしたもので、紙を敷き詰めたその上から留めていきます。
②①同様、野地板の上に、タッカーと言うホッチキスを少し太く大きくしたもので紙を敷き詰めその上から留める方法と、粘着性のあるシートの場合は、タッカーは使わず、シールを張り付ける様に張っていきます。この張り付ける方法は、ガルバリュウム金属屋根材のカバー工法の下葺き材に使用します。

●下葺き材(ルーフィングシート)の違い
先程ルーフィングシートの施工方法でご説明した通り、タッカーとうい金属製の留め金具を使用して張り付けていきます。そして、その上に屋根材を施工する場合、同じく軒先から張り進めていくのですが、最初に屋根材を張った時に釘留めをした部分を、新たに張る屋根材で隠す様に張り進めていきます。そして、この留め金具・釘の部分から、雨水が浸入してしまう事により、雨漏りの原因をつくりだしています。この留めた部分の廻りの密着性・耐摩耗性・耐剥離性の差、=ルーフィング材の違い(アスファルトルーフィング・改質アスファルトルーフィング)が、雨漏りの発生の頻度に大きな差を生みだしています。

紙に染み込ませたアスファルトは、真夏の紫外線により、非常に柔らかくなりすぎ、留めてある釘穴廻りのアスファルト液が染み込ませた紙から溶けだしてしまい防水性が著しく低下、冬は温度が低くなり、硬化して柔軟性が失われると、ヒビや亀裂が発生して防水性がまた失われることになります。この温度差の繰り返しが、一般に言う下葺材の経年劣化です。

●ルーフィングシートの施工上の注意点
当然ですが、雨の時は施工をしない方が良いに決まっていますが、雨上がりの次の日に、ルーフィングシートの被せ施工は避けた方がよいと思います。その理由は、下地材の野地板(最近はコンパネ材で仕上げる場合が多い)が完全に乾燥していない内に、ルーフィングシートを張る事により、雨で濡れた野地板とシートの間に湿気がこもり、不具合を起してしまうからです。また、ルーフィングシート施工後で、屋根葺き作業前に、雨に当ってしまうのも避けた方が良いと思います。特に強い雨時はルーフィングの継ぎ目から雨水が入り込み、野地板を湿らすからです。ルーフィングシートは基本的に水を通さない材質なので、その上に張ってしまうと、野地板は自然乾燥されず、水分を保ったまま内部に残留するからです。
また、非常に細かい話の様に聞こえますが、ルーフィングシートの施工中の小さな穴・キズは、将来の雨漏りに必ずつながりますので確実に対処してもらってください。何故なら、屋根からの雨漏り原因の多くはルーフィングシートの不具合からです。小さな破れ・穴だから大丈夫と決して考えないでください。その小さな穴・破れが、将来の雨漏りを発生させ、そうなった場合一度屋根材を剥がさなくてはならないケースが殆どで、数百万円以上の修理費になるのが確実だからです。
●ガルバリュウム鋼板金属屋根をカバー工法する業者に確認しよう
最近では、赤サビ保証20年の保証書を発行するメーカーが増えてきました。確かに屋根材表面加工の技術は進歩しています。(横暖ルーフプレミアム・MFシルキー)この金属屋根材を施工されるお客様は、ルーフィングシートの材質を確認する事をお勧めします。           その理由は、屋根材が20年持ったとしても、一番雨漏りの原因であるルーフィングが10年しか持たないシートを張っていたのでは意味がないからです。結果、ガルバリウム鋼板よりルーフィングシートの方を早く張替しなければなりません。お客様は、屋根材の選定には時間を割きますが、ルーフィングシートの確認までなさる方は、殆どいません。ルーフィングシートの役割・材質を正しく理解する事をお勧めします。確認する方法として、アスファルトルーフィングの材料名を聞き、インターネットで調べてみてください。結構参考になりますよ!

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