屋根の形状と雨漏りの関係性

雨漏りの発生部位として屋根からの雨漏りが多いという訳ではありませんが、今回はあえて主に木造住宅においての屋根の形状と雨漏りの関係性についてお伝えしていければと思っております。

現在の木造住宅での主な屋根の形状としては、寄棟屋根・切妻屋根、片流れ屋根が多くありますが、他にも様々な形状の屋根が存在しています。
今回は、分かりやすく上記の3種類とその他に分けて見ていきたいと思います。

現在の新築住宅の屋根形状を見てみると、片流れ屋根の軒ゼロシェアがかなり増加傾向にあります。逆に寄棟屋根のシェアは年々減っており、10%程度となってきています。

片流れ屋根の軒ゼロは、シンプルなデザイン性や太陽光発電を設置する上でも有利である事、更に言えば、軒の出を無くし限られた土地に最大限の住宅を建てるという事において適している屋根形状であると言えます。

メリットも多く感じられる片流れ屋根の軒出幅無ですが、これから住宅を購入しようと考えている方は、是非覚えておいて欲しい事があります。

それは…残念ながら
片流れ屋根の軒ゼロは、雨漏りのリスクが高いという事です。
現在でも、切妻屋根のシェアは一番高く4割程度あります。最近では片流れ屋根のシェアは3割程度まで上昇しており、近いうち逆転すると考えられますが、現在建っている住宅の屋根のシェア率でいえば、片流れ屋根の軒ゼロはまだまだシェアは低いと言えます。

しかしながら、雨漏りの発生割合で考えると、片流れ屋根の軒ゼロの雨漏りリスクは7割近くを占めているというデータがあります。
これは切妻屋根の6倍程度雨漏りリスクがあると言えます。

更に悪いお話をしますと、片流れ屋根の軒ゼロはここ最近増えてきている為、築10年以下の住宅が多いはずですが、それでも雨漏りが発生しているという事は、築浅住宅の片流れ屋根の軒ゼロでも雨漏りが多く発生していると言えるのです。

建築会社からすれば、片流れ屋根はコストも安く済み、デザイン性も良い事から採用されているケースが多いのですが、せっかく購入した住宅が数年で雨漏りをするなどは、誰しも考えたくない事です。
設計・施工について、そして雨仕舞いについても、十分な経験と注意を持って住宅を建てているかしっかり確認して購入する事をお勧め致します。

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