住宅の雨水処理の重要ポイント
住宅は、雨・風を防ぎ快適に住めるものでなければ、意味がありません。
日々、皆様の住宅は、自然の驚異に晒されていると言っても大げさではありません。
近年では築浅住宅においても雨漏りのリスクが増えております。
全てではありませんが、この理由の一つとして、売ることを最優先にした住宅が増えている事。それによって雨仕舞いが適切にできていない住宅が増えてきていることなどが、あると感じております。
今回は、①~⑦で重要なポイントをお伝えしていきます。
① 外壁部…外壁部において近年の住宅では、「外壁通気層工法」が採用されております。
残念ながら、通気層工法の仕組みをキチンと理解せずに施工されてしまっている住宅も存在しております。
「通気層工法」の役割として、「湿気の排出」と「侵入した雨水や結露水の排出」に分けられます。
施工する業者は最低でもこの役割をしっかり理解している事が重要だと思います。
説明できないなどは論外と言えます。
(外壁通気工法については以前の記事にも記載しておりますのでご確認ください)
②開口部…雨漏りの事例が多い部分です。サッシ廻りなどの開口部は防水施工に十分な注意が必要と言えます。
施工上の不良として、サッシ廻りの防水テープの接着不良や、サッシ枠結合部からの漏水を事前に予測・想定した水切りシートと透湿・防水シートの取り合い及び防水テープの施工が求められます。
③軒天部…軒天上と外壁との取り合い部は、台風時のような吹き上げる風雨の場合を想定した、雨水の侵入防止を考える必要もあります。
また、外壁通気工法の上部に当る部分ですので、通気の流れが確保されているかも重要となります。
④屋根と外壁の取り合い…外壁と屋根の軒先との取り合い部分は、比較的雨水が多く降りかかる部位でもあります。
雨水や結露水が透湿・防水シートに内側に入り込まないような施工が必要です。施工には細心の注意が必要です。
⑤バルコニー廻り…バルコニーの笠木部分の雨漏り事例が多い箇所となります。
外側からでは施工状態は確認できませんが、外壁と同じような構造です。透湿・防水シート、防水紙、防水テープ、シーリングがなされ雨水を防止しています。錆などが発生すると雨漏りのリスクが高まりますので、定期的な点検をお勧め致します。
⑥水切り部…土台の水切り部は、雨漏りと直接関係が無い部分かもしれませんが、含水率が高い土台はシロアリなどの発生につながりますので、住宅性能を著しく劣化させる可能性がある事を覚えておいて下さい。
⑦ダクト貫通部…換気ダクトやエアコンダクトなどの外壁に穴を開けて接続されているダクト部分の施工においても十分な知識と経験が必要であると言えます。
以上住宅の雨漏り発生個所の多い部分をポイントに簡潔にお伝えいたしました。
もし気になる個所などありましたら、お気軽にお問合せ下さい。