中古住宅活性化に向けた取り組み ~課題編~
前回のコラムで、中古住宅活性化の向けた取り組みの大まかな内容をお伝えしましたが、そもそも何故中古住宅活性化に向けた取り組みが必要なのでしょうか?
個人的見解となりますが、一番は空き家の増加問題かと思っています。
平成25年時点での空き家率は13.5%となっておりますので、現時点でとても多いという訳ではないと思いますが、5年ごとの統計から右肩上がりの増加となっているのは事実としてあります。
今後数十年後、空き家率が30%を超えるという予測もあります。
ではなぜ空き家が増えているのでしょうか?
空き家が増える問題として資金的側面が一番大きいと感じています。
それらを以下に述べます。
□ 現在の日本では築20年以上の住宅の価値はほぼ0となってしまいます。資産価値として残るのは土地部分のみと言えます。
□ 解体できない理由として、住宅がない土地の固定資産税が増えるという事です。(最大4.2倍に増えてしまいます)
□ 上記から、解体費を費用捻出して、更に固定資産税も上がるとなれば、解体に躊躇するのは当然です。
□ 思い出を無くしたくないという思いも一面としてあるでしょう。
□ 古い住宅では、再建築が認められていない土地になっているケースがある為、解体してしまうと宅地として使えないケースがある事。
上記が全てではありませんが、このような理由から空き家が増加している面が少なからずあると言えます。
中古住宅活性化に向けた取り組みの中で、やはり、既存住宅の価値の見直しがされ、売れる住宅となり、売ることを考えて住宅を買う社会に変革していく必要があると思います。
住宅の資産価値が減らないメリットは、当然ながら沢山あります。
現在の雇用は終身雇用から、勤務先の移動など流動性が高くなっていますが、その都度のライフプランに合った住宅に住み替える社会になれば、今より景気も良くなると思います。
高齢になり、介護施設に入居を考えた時、社会的に賃貸や売却をしやすい状況があることは重要なのではないでしょうか。
今後の、日本の社会を見据えた時、やはり中古住宅活性化対策は急務ではないかと思います。