アメリカの中古住宅はなぜ価値が上がるのか?~後編~

前回アメリカの中古住宅はなぜ価値が上がるのか?についてテーマとして簡単におおまかな状況をお伝えしてきましたが、
その続きから記して参ります。(前回のコラムもどうぞ)

アメリカでは、住宅を7.8年で住み替え、常により住みやすく手を加えているとお伝えしました。
もちろん日本との違いはその他にも、人口、需要と供給面や、不動産流通の仕組みの違い、住宅の基本デザイン、外部環境など様々な要因がありますから一概には言えませんが、もしかしたら日本の不動産の状況が特殊なのかもしれませんね。

現在の日本においては皆さんご存知の通り、少子高齢化社会に入り、実際に住宅ストック数が世帯数を上回り、空き家も増加傾向にあります。ですからアメリカの様な住宅社会に移行する必要性があると考えられている部分があるようです。

国の方でも、そうした中古住宅市場の活性化の取り組みを始めているようです。
中古住宅の建物評価の改善や、アメリカの様にリモデルした住宅の価値が上がれば、それだけでも資産の増加により、経済に好循環をもたらすとの考え方です。柔軟な住み替えができるようになれば、それだけでも消費は上向きしますものね。

中古住宅市場の活性化に向けて、ホームインスペクション制度が進められておりますが、現時点ではまだ説明の義務化に留まっております。
ホームインスペクションとは簡単にご説明すると、「住宅診断」という意味です。
(これについては、また別の機会にお伝えいたします)

現在の日本では中古住宅の流通割合は全体の2割以下でして、欧米諸国の7割という割合には遠く及びません。
しかし、業者は良いものを作り、ユーザーはきちんと手入れをして長く使う又は、投資対象として価値が上がるように手を入れるなどして、より良い住宅環境が築かれれば良いと思います。

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