建物の雨仕舞いの考えとは?(悪魔の3仕様)

雨仕舞いにつきましては、以前のブログ「雨仕舞のしくみ」で一度お伝えしておりますが、雨漏りと雨仕舞いの関係は非常に密接に繋がっていると考えておりますので、改めてお伝えしていきたいと思います。

タイトルに記載した「悪魔の3仕様」なんか嫌な響きですね…。

業界において、木質系住宅での、雨漏りの「悪魔の3仕様」と呼ばれているものをご紹介します。

① 軒の出無し(防水ラインの連続)
軒の出がある住宅に比べて雨漏り確率が5倍高いという統計です。

②外壁通気層無し(排水機能)
通気層無しに比べ雨漏り確率5倍)

③陸屋根(雨水の滞留)
適正勾配屋根に比べ雨漏り確率5倍)

現状として、上記住宅が全て良くない訳ではありません。適切な施工を行っている住宅では問題がない住宅も多く存在しております。しかし統計としては、上記の3仕様は、全て雨漏り確率が5倍という驚異的な統計であることも事実なのです。
このことから「悪魔の3仕様」と呼ばれているのです。

雨仕舞いとして重要な事が、
1.雨がかりを減らす事
2.水を切る(水の流れを不連続にする)
3.水を返す(内部に向けて移動する雨水を外部に戻す)
4.水を抜く(雨水を滞留させずに速やかに排出する)
と言われています。

悪魔の3仕様はこの雨仕舞いの重要な事項がクリアできていないという事が挙げられます。
ですので、このような仕様の住宅を建築する際は、最新の注意を払った雨仕舞いを行わないと雨漏りの確率が高いと言わざるを得ません。定期的なメンテナンスも必要ですので注意しましょう。

以前のコラムで、「雨漏りの裁判」についてお伝えしましたが、今後不法行為責任で20年間の責任を負う必要がある時代に、何故か軒ゼロ住宅が増えている現状。雨漏り事故が多い軒ゼロ住宅を何故設計するのか?少し疑問に感じます。
住宅の面積を少しでも広くしコストを下げたいという販売側の都合なのかもしれません。

もしあなたが、これから軒ゼロ住宅を購入する予定でしたら、購入前に業者に一度質問してみる事です。
納得いく回答が得られれば、購入しても良いと思います。そもそも軒ゼロ住宅全てが問題がある訳ではありませんから。

どのような住宅に住まわれるにしろ、耐久性に関して、雨仕舞いに関して、しっかり向き合って建築されている住宅が良いと思います。

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