毛細管現象と屋根からの雨漏りついて?

毛細管現象とはどんな力か働くかと言うと、「すきま」のような細い・狭い空間を、重力や上下左右に関係なく液体が広がり浸透していく現象の事です。これを特に発生頻度の高いコロニアル屋根(サイズW910×H450)の住宅屋根材に置き換えてご説明しますと、下側軒先から張り付けて行き、次に45㎝左右にずらした形にて、屋根の一番高い所を目指して、その1枚目の上約半分を隠しながら張り付けて行きます。そして更に、その上にも同じ作業を繰り返しながら順々に上へ張り付けていく、重なりを形成しながら屋根全体は出来ております。その重なり(狭い部分)に、雨水が入り込み、毛細管現状により雨水が広がり、築年数が経過に伴い、屋根を取り付ける際止めてある釘穴等から、内部屋根裏に漏れ出す症状です。

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それでは、この毛細管現象により発生する、腐食・雨漏りをこのままして良いのか?また、何か良い方法はあるのか?そのこで、10年位前から一般的に普及し始めたのがタスペーサーという部材です。このタスペーサーについて、ご説明いたしますと、本体自体はプラスチック製品で、これを屋根材が重なり合っている部分に入れ込む事により、塗装で塞がってしまう隙間を確保します。入れる場所は、屋根材のジョイント部分の位置から左右15㎝を目安に入れていきます。数量的には100㎡で、約1000個使用します。入れるタイミングは下塗材完了後です。

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今までは、屋根塗装完了後に、密着した塗料をカッターや皮すきにより、起す様に切っていたのですが、屋根本体が割れ・キズがついたり・足跡が残ったりと、再塗装もかなりの頻度で行っておりました。また、表面の塗装は乾燥しているのですが屋根内部に入り込んだ塗料がまだ乾燥しきれない場合も有り、縁切り後また密着してしまったケースも少なくありませんでした。しかし、このタスペーサーが発売する事により、かなりの作業効率と精度が、アップした事は間違いないです。
ただ、デメリットとして、タスペーサー取付後は、その上を歩くことによる割れを起し易いので、場所を選んでゆっくり歩かないとならないのと、数年して、入れたタスペーサーより、更に隙間が開いた為、取れてしまいご連絡を頂く事もございますが、隙間の確保の為に使用している屋根材ですので問題はありませんが、お伺いをして対応しております。
現実には、屋根の腐食による改修工事をさせて頂くお宅には、特徴があり、外からの雨水だけが原因とは限らない様に思います。屋根の勾配緩さ・形状の複雑化・屋根の材質等・また、自然気象から、屋根内部温度差による結露そして生活からくる結露が考えられます。今後もさまざまな角度から大切な住宅を守っていける様勉強してまいります。失礼します。

写真3 (1) 東京薬業様 寄宿舎屋根カバー工法張 チューオー横暖ルーフきわみ (完成) (3) 写真3 (2)

 

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