サイディング壁を塗って膨れた?

外壁サイディング張りと言う言葉が、建築業界で当たり前になっておりますが、この語源は、下見板・壁板からきており、板状のものを張り付けると言う表現と同じだそうです。 日本古来の外壁の仕上げ方として、塗って壁が造られており、(土壁・モルタル壁)、外壁材の目的は、外側から雨・風・ホコリの浸入を防ぐのが一般的な考え方でした。 しかし、ここ10年位の間に、外壁材の目的・機能・種類が大きく変化しています。私達の様な、防水・塗装・屋根・外壁を扱うリフォーム業者としては、施す相手が変化すると言う事は、その変化に対応した修理・塗装・防水を行わなくては、かならず、不具合やクレームに繋がります。そういった点を考えると、以下の内容に注意する点です。

  1. 既存の外壁材が、直張りか、空気層を設けて張ってあるかの違いです。直張りとは、柱・間柱等の構造材に直接打ち付けて張ってある方法です。25年位前の張り方は、この方法が多く、地震等による、建物の揺れがダイレクトに壁の動きにつながる為、ヒビの発生を起こしてしまい、また、直接張りにより、空気層がない為、太陽の熱・雨の湿気を逃がす事が出来ず、さまざまな不具合を起こします。保証対象工事として、考えた場合は、基本塗装・防水は請けられませんので、違う方法にて修理をお勧めしています。
  2. 壁のカット方法による膨張からくる剝がれです。サイディング外壁は、基礎の上の水切りからスタートして、サイディングの働き幅ピッチ・柄を気にしながら、上に張り進めていきます。問題がいつも起るのは、バルコニー廻りの外壁材のカット方法とその後です。基本的には、サイディング柄を合わせて張り付ける為、バルコニーのスタートのピッチが合ない場合が多いです。そうなると、柄合せの為、サイディング壁をカットしていきます。このカット後の処理が問題になるのです。普通は、切断面は補修液にて塗装を行うのが基本ルールですが、行われていなかったり、スタート水切り(内側金物)と切断したサイディング接触していたり、緩衝シーリングが水切りまで届いていたり等、雨水の通り道を作ってしまっていて、膨れ・剝がれの原因になるのです。
  3. 最近多くなってきましたが、高意匠性サイディングと言われる、特殊な表面加工をしている壁材の塗装です。塗装にとって最も大切なのは、この下処理です。この下地処理を疎かにしたり、下塗り材の選定を間違えると、将来、間違いなく剥離に繋がります。現地調査の際、、無意識に行うのではなく、剥離の可能性ありと言う観点にて、調査をする必要があります。また、メーカーとの連絡・仕様・工程作業にも時間をかける必要性があると思います。

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