雨漏りが使える保険と住宅の保険について

●雨漏り修理は基本的には火災保険では直せません。
(住宅瑕疵担保責任保険は別扱い)

雨・風・砂埃等の吹き込みは、これらのものの漏入による損害は、火災保険の補償対象にはなっていませんので受けられません。そもそも雨漏りや吹き込みは、一般的に建物の経年劣化による老巧化の原因が多く、損害の事故性がまったくなく、予測されうる損害ということになり補償対象から、外されます

■事故性とは?

事故とはどういった状況かというと、予測が及ばないところで予期せずに起こる偶発的な出来事のことです。解り易くいうと、突然起こり誰にも止められず、誰にも予想出来なかった事です。

●雨漏りと水災との違い火災保険の補償対象となる水災補償とは?

保険に入る際に、補償内容を確認すると”水災補償”と明記しております。これを水に関する災害全てが補償されるように思いがちですが違っています。雨漏り・水漏れ・水債災を誤解しない様にしてください。水災とは、洪水・高潮・土砂崩れなどの自然災害のことを指します。
自然災害として雪やひょうなどがありますが、これも水災には含まれないです。火災保険で基本補償に含まれている場合が多いです

●雨漏りでも補償される場合がある!

台風による強風の影響で隣の家の屋根板金棟・屋根瓦が飛んできて、屋根・壁に当たって破損し、雨漏りが発生した場合や強風の影響で屋根に損害が発生して雨漏りが起きた場合には支払いの対象となります。つまり、風の災害が原因で発生した雨漏りは火災保険の対象となるのです。

●新築から10年未満の家からの雨漏りは直せる場合がある

新築請負会社が任意で入っている、住宅瑕疵担保責任保険という制度がございます。この制度は新築から10年未満の住宅に瑕疵(雨漏りなどの不具合)があった場合に雨漏り修理を行った施工業者に保険金が支払われるというものです。簡単にご説明しますと修理代は保険から払ってもらえるので自己負担なしで雨漏りが修理できるという事です。

●雨漏りと品確法と瑕疵担保履行法

■品確法とは

住宅の品質確保の促進等に関する法律」、いわゆる「品確法」は2000年4月に施行されました。品確法が施行されるまでは、瑕疵担保責任の期間は建物の引渡しから2年までなどの特約、契約内容を、売主サイドが定めていました。品確法の誕生により、住宅会社は瑕疵に対して建築後10年間、無償補修や賠償責任を負うことを義務づけられました。瑕疵とは出来上がった住宅がその性能を満たさない状態のことを示します。瑕疵担保責任の対象となるのは、「構造上主要な部分」と「雨水の浸入を防止する部分」のふたつです。

■構造耐力上主要な部分とは(建築基準法施行令 第1条第3号にて)

礎、基礎ぐい、壁、柱、小屋組、土台、斜材(筋かい、方づえ、火打材その他これらに類するものをいう。)、床版、屋根版または横架材(はり、けたその他これらに類するものをいう。)で、建築物の自重もしくは積載荷重、積雪荷重、風圧、土圧もしくは水圧または地震その他の震動もしくは衝撃を支えるものをいう。

■雨漏りの浸入を防止する部分

屋根もしくは外壁又はこれらの開口部に設ける戸類、枠その他の建具、雨水を排水するために設ける排水管のうち、屋根もしくは外壁の内部又は屋内にある部分です。漏りの原因部位のことを指します。

■請求できるもの

雨漏り修理請求・損害賠償・契約の解除(売買契約の場合で雨漏り修理が不可能な場合)

■瑕疵担保履行法

品確法は建物の引き渡しから10年間は雨漏りなどの長期保証をしてくれる消費者の保護を確保する為の新しいシステムです。更にその強化を目的として、平成21年10月1日に瑕疵担保履行法(住宅瑕疵担保履行法)が誕生します。住宅会社が加入するこの住宅瑕疵担保責任保険により、消費者は住宅会社の瑕疵に対する修理費用や賠償を受ける事が可能になりました。

■雨漏りをした場合何処に依頼するのか?

修理工事は原則、新築した住宅会社が行うことになり、消費者が雨漏り修理を行う会社を指定することはできません。(住宅会社が倒産している場合には、別業者の雨漏り修理を依頼する事は可能です)そして、雨漏り修理方法の内容は、新築した住宅会社が判断出来ます。その結果、簡易的な修理方法で済ませるケースも少なくありません。消費者は結果として雨漏りが止まっているのであれば、それ以上の要求をすることはできないからです。根本的な解決に至らない雨漏り修理で10年を過ぎてしまうと、それ以降の雨漏り修理や損害負担は消費者が負うことになります。修繕工事の品質保護までは、まだまだ不十分なようです。

■雨漏り修理の請求期間

民法の規定では、買主が瑕疵担保責任を請求できる期間は、雨漏り瑕疵を知ったときから1年以内と定められています。雨漏りを発見した際はすぐに住宅会社に相談してください。雨漏りをそのままにしておくと土台・柱等の劣化繋がり、最終的にはシロアリの発生・健康被害等大きな問題に発展していきます。

■トラブルになった場合

住宅品質確保に関する法律は、まだまだ未整備の為安心しきることはできません。雨漏りなどの瑕疵を発見したら速やかに新築した住宅会社に連絡するのはもちろんですが、大きな問題トラブルになる可能性がある場合は、雨漏り診断士のいる修理会社・建築士など第三者の意見を聞く事もよいでしょう。もしくは紛争処理支援センターにご相談してみてください。

●火災保険おける水漏れに対して補償の取り扱い
(どういった場合に補償が受けられるのか。主要な補償条件が下記になります)

■補償か受けられるケース

①建物内外の給排水設備に発生した事故(水道管・排水管・温水器 ボイラー設備 トイレ手洗用設備 雨樋 浄化槽 ガス湯沸かし器)によるもの

②冬に水道管が凍結して破裂し水漏れの損害を受けた場合。水道管は給排水設備で、水道管の凍結は予測できても破裂までは予想できないため補償の対象となります。

③マンション等の場合、上の階の部屋や隣の部屋で、起きた事故に伴う漏水などを補償してくれます。

④上の階の住人が起こした事故で水漏れが発生し自分の部屋の家財に被害が発生させた場合は自分が加入している、火災保険からも保険金が下ります。この場合は、給排水設備に関係なく我が家に水漏れ被害が生じれば保険金支払いの対象となります
(被害者・加害者両方の保険でのダブルの補償は受けられない)

⑤隣の家が火事になって自分の家も消防車の放水の被害を受けた場合はどうなるのでしょうか?火事自体は事故ですが火の災害なので水の災害ではありません。この場合は水の災害としての補償は受けられませんが、本来の火災保険が適用されて補償が受けられます。

⑥ご自身の一戸建て住宅で家財に関しては基本的に雨漏り水漏れにおける補償はないと考えていた方がよいです。ただ、マンション住居の場合、他の住民が起こした水漏れ事故は補償対象です。家財へのリスクを減らす為には、契約時に、家財も対象とする選択が可能ですので、加入する事をお勧めします。

⑥床上浸水は補償対象です。火災保険における床上浸水とは、畳上やフローリング板張など居住の用に供する部分の床(土間、たたきの類を除きます。)を超える浸水をいいます。水災は、全損時の場合等において損害額の一定割合(70%など)を補償する場合が殆どですので、注意が必要です。だだし、最近では契約時の補償内容の取り決めにより水災による損害額の全額(100%)を補償するケースもあるそうです。

■補償が受けられないケース

①洗濯機に常設していない排水ホースが外れて部屋が水浸しになった場合、ホースが外れることは事故ですが常設していないホースは排水設備にみなされないので対象となりません。

②お風呂の浴槽のお湯を漏らしたり、キッチンのシンクの水をため過ぎてあふれ出した水の場合も不注意が原因なので対象外です。また、シンクや浴槽は給排水設備ではないのでこれに付帯する損害も補償対象外となるので注意しましょう。

③細かな部分ですが、浴槽やキッチンのシンクは給水された水を使う場所なので給水設備にはなりません。しかし、浴槽の下の排水口とシンクの下の排水口から先が排水設備になるため、その部分から先は補償対象になります。

次に火災保険の中の風災に関する内容についてご説明します

■火災保険の定義(火事で家が焼けてしまった」場合だけではありません)

言葉だけを聞くと、火災保険は、火事で家が焼けてしまった場合のみ補償対象なのではと思われがちですが、落雷、破裂・爆発などで家が損壊したといった損害も対象としています。さらに、台風や暴風などの風災による損害や、大雪などの雪災による損害について、一定額以上に達するものであれば補償の対象としており、自然災害に備える保険とも言えます。

●火災保険における風災の定義

①強風での屋根の破損
②竜巻による屋根の破損
③台風、暴風雨による屋根の破損
④突風、疾風による屋根の破損

■具体的にどういう時・どういうものが?

①「台風、旋風、暴風、暴風雨などの風災によって保険の対象について建物本体に生じた損害を風災といいます。ただし、建物内部については、建物またはその開口部が風災によって直接破損したために起きた損害に限ります。家内部に存在する、家具・家電製品等は補償対象外だという事です。
例えば、窓ガラスが壊され、その内部の家具が破損した場合、壊された窓ガラスは補償対象ですが、それが原因での、内部家具は補償対象外ですと言っています。

②その他の保険対象物として、住居専用建物および敷地内に配置されている(門、塀、垣、物置、車庫その他の付属建物も含みます。)

③自然の摩耗または劣化(変色、変質、さび、かび、腐敗、腐食、浸食、点検または調整の作業中における作業上の過失等。つまり火災保険の風災に関する項目は、経年変化に対しては、補償金を支払われません。 また、何か人間が手を加えた後の損害(人災)も補償対象外です

■査定基準は?

①1回の事故につき、支払限度額(保険金額)
(確定損害額)に定める損害額 - 保険証券記載の免責金額 = 損害保険金の額.は免責と損害額の決め方です。 免責とは、火災保険会社が保険金の支払いを免除される金額で、20万円の免責契約なら、20万円は、かならず差し引いて補償金が支払われます。また、少額被害の場合、20万円未満の修理に場合、1円も保険金は支払われません。注意してください(免責額は保険会社・内容によって違います)

※確定損害額とは、実際に修理する業者が作成した見積額を元に、保険会社独自の査定基準により確定されます。

■いつまで補償されるの?

①被害をうけてから、3年以内の保険申請を出さないと補償金の権利がなくなります。

■どうすれば申請できるの?

①ます保険証書を持参して、保険会社・代理店に電話を入れる
②被害の状況、日時、場所住所を報告書(メモ)にまとめたもの保険代理店に電話で伝える
③修理施工店に連絡をする。(被害部分の修理費用の積算を依頼する)
④風で受けた屋根の被害は全て補償の範囲の写真を撮る(施工店・ご自身でも可)
⑤保険代理店に再度連絡をして、現場確認をしてもらう(施工店の同行説明を依頼する)
⑥各保険会社の査定により、被害範囲・修理費用が決定する
⑦保険金額が振り込まれる(振り込み時期は保険会社により様々です)

■正しく施工が出来る会社に依頼してください

●地震保険とは?

地震・噴火またはこれらによる津波による建物の火災や損壊などは、その発生予測が困難なことなどから、火災保険では補償されません。この地震保険は、商品内容・保険料について保険会社間で差異はありません。自然災害のうち、地震による建物の倒壊や火災(延焼・拡大を含む。)などについては、火災保険の補償対象となりませんので、地震保険も選択して契約する必要があります。

■具体的はどんな時に?

地震保険の補償の対象となる損害は、地震等を直接被害または間接被害の原因として、建物や家財が火災、損壊、埋没、流失となった場合であり、具体例としては次のような損害が該当します。
①地震による建物の倒壊、
②地震によって生じた火災による焼損
③地震によって河川の堤防やダムが決壊し、洪水となり生じた流失、埋没
④噴火にともなう溶岩流、噴石、火山灰や爆風によって生じた倒壊、埋没
⑤地震や噴火の結果生じた土砂災害による流失、埋没
⑥津波によって生じた流失、倒壊

■保険補償額はどの様にして決めるの?

保険金は、地震等の発生の場合、生活に直結する損害が殆どの為、スピード性を重視する必要があり、損害の程度である「全損」「半損」「一部損」に応じて、保険金額の一定割合が支払われる仕組みとなっております。(限度額として建物5,000万円・家財1,000万円)が目安です。

① 全壊とは(保険補償額の100%補償されます)
【目安】主要構造部(注1)の損害額が建物の時価の50%以上
焼失・流失した床面積が建物の延床面積の70%以上の場合

② 半壊とは(保険補償額の50%補償されます)
【目安】主要構造部(注1)の損害額が建物の時価の20%以上50%未満の場合
焼失・流失した床面積が建物の延床面積の20%以上70%未満の場合

③一部損とは(保険補償額の5%補償されます)
【目安】主要構造部(注1)の損害額が建物の時価の3%以上20%未満の場合
建物が床上浸水または地盤面から45cmを超える浸水を受け損害が生じた場合で
全損・半損に至らないとき
(注1)■構造耐力上主要な部分とは(建築基準法施行令 第1条第3号にて)
礎、基礎ぐい、壁、柱、小屋組、土台、斜材(筋かい、方づえ、火打材その他これらに類するものをいう。)、床版、屋根版または横架材(はり、けたその他これらに類するものをいう。)で、建築物の自重もしくは積載荷重、積雪荷重、風圧、土圧もしくは水圧または地震その他の震動もしくは衝撃を支えるものをいう。

■地震保険に加入するには?

地震保険は単独では契約できず、火災保険に付帯して契約する必要があります。また、現在契約している火災保険に地震保険を付帯していない場合には、火災保険の保険期間の中途でも地震保険を付帯することができます

■どうすれば申請できるの?

①まず保険証書を持参して、保険会社・代理店に電話を入れる
② 被害の状況、日時、場所住所を報告書(メモ)にまとめたもの保険代理店に電話で伝える
③ 修理施工店に連絡をする。(被害部分の修理費用の積算を依頼する)
④ 地震等で受けた被害は全ての範囲の写真を撮る(施工店・ご自身でも可)
⑤ 保険代理店に再度連絡をして、現場確認をしてもらう(施工店の同行説明依頼する)
⑥各保険会社の査定により、被害範囲・修理費用が決定する
⑦保険金額が振り込まれる(振り込み時期は保険会社により様々です)

■正しく施工が出来る会社に依頼してください

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